シアワセ∞経路
第6章 止まらない気持ち
「なんだ?おまえ」
スマホを握っていた男が、他の誰かに話しかけていた。
私の相手をしていた残りの二人の男もそれに気づき、触れる指先が止まる。
涙で虚ろになって視界がぼやけて、誰が来たか私だけが分からなかった。
「おい、ガキ。こう言うのを見たいお年頃なのは分かるが、邪魔だからどっか行ってくれねー?」
男たちからの口調を聞いていたら、今にももめそうな雰囲気を感じた。
顔をゆっくりと上げて、場の状況を把握する。
男たちが話しかけている方を見ると、こんな場所に来るはずのないソラがいた。
なんでここにいるの……。
今日は、もう帰ったはずじゃ…。
「黙ってねえでなんとか言えよ?」
スマホを持っていた男が、口を開かないソラのところへ近づいて行った。
「ビビって喋れねえんだな?だったらオレ達のやってることを誰にも言えないような口にしてやるよ」
このままでは、関係のないソラまで酷い目にあわされてしまう。