シアワセ∞経路
第6章 止まらない気持ち
車のライトの光がはっきりと見えるほど、辺りはすっかり夜の風景になっていた。
走って来た道を振り向くと誰もいない。
あの男三人組は追ってきていないようだった。
「あいつらはもう追ってこないか……」
「そう……だね……」
私の手を引いてくれていた、ソラの手がゆっくり離れる。
「……大丈夫?」
「うん。ありがとう……。すごいね……喧嘩強かったんだね」
「いや、強いというか前に護身術を教えてもらっていただけ。そっ……それより、さっさと服を着直したら。見られないように見張っててやるから」
「え……。あっ!……ごめん」
もしかして、目のやり場に困っていた……!?
胸はちゃんと隠してたけど、ずれ落ちた袖から肩も見えてる。
ああ……、恥ずかしいっ……。
焦る気持ちから額に薄い汗を浮かべ、急いで乱された服を整えた。
「ソラ……。もう、直したからいいよ」
私をかばってくれていたソラの背中に目を向けると、ふぅっと肩の力を抜いたようだった。
後ろにいる私の方にゆっくりと振り向いたソラは、制服のズボンのポケットからある物を取り出した。