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シアワセ∞経路

第6章 止まらない気持ち



ソラの家に着いてから、私はシャワーを借りて体を綺麗に洗い流した。


サブバックに入れていた無難な部屋着に着替える。



その間に、ソラは夜ご飯を準備してくれていたようで。


この匂いはカレーだ……!


空腹を刺激するほど美味しそうな匂いだった。



ダイニングチェアに座って、目の前に出されたそれを見て目を丸くする。


「わあ……」


「……悪い。料理は得意じゃなくて。でも、ちゃんとしたやつ食べさせたかったから」



不器用に切られた人参に、殆ど溶けて小さくなったじゃがいも。
頑張って作ってくれたんだ。



私のために……――



「無難に市販のカレールー使ったから、味は問題ないと思うけど。やっぱりレトルトの方がいいか」



「ううん。ソラが作ったのを食べたい。美味しそうだし!……ご飯作って貰えるってすごく嬉しくて」



「そっか」



「うん。私ね……、ソラがいてくれて本当に良かったって思ってる。……いつもありがとう」



「…………。褒めてもおかずは出ないぞ」



「カレーだけで充分です」



お礼を言うと、目を大きく見開いてから少し照れたように見えた。


ちゃんと、伝わった……。



ソラが高校生になってから、心の距離が遠くなったと思っていたけど考え過ぎだったかな。



素っ気ない態度に寂しさを感じていたけど、その疑いが一気に吹き飛ぶ。



変わっていなくて安心した。



落ち着いて、改めてゆっくり家中を見渡してみると明らかに誰かと住んでいた形跡があった。



「本当に誰も帰ってこないの?」



「うん。今日は、母さんも来ないし。ひとりだよ」



「ごっ……、ごめんなさい。複雑な家庭だなんて知らなかったから」


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