シアワセ∞経路
第8章 危険な勉強会
「大したことじゃないから、気にしなくていいよ。俺が言い過ぎただけ」
「うん……。分かった」
ドキドキとする反面、心が落ち着く。
この居場所にいていい……。
この人の隣にいていいんだって……――
そう思えるほど癒される雰囲気。
ふと前のことを思い出す。
『……優しくなれるように努力する』
そう約束してくれてから、私への態度がぐるりと変わった。
前は私のことをおまえってしか呼んでくれなかったし、口も悪かった。
そして過去の私は……
『優しくない大空先輩なんて大っ嫌い』
なんて酷いことを言ったことがあった。
あんなこと言われたのに、私のために努力してくれて……。
いつもそばにいてくれて。
今までのことを考えれば、してもらってばかりかもしれない。
一緒にいる貴重な時間なのに、ひとりで考えてもいいようなことを振り返ってしまう。
無言の状態がまたやってきて、話す内容も上手く思い浮かばない。
だけど、何も話さなくても、傍にいるだけで幸せ。
あなたを好きになって、それを知った気がする。