シアワセ∞経路
第10章 未来へ続く思い出
「ごめん。でもあれはそういう意味で言ったんじゃないよ。恋愛の価値観がって意味だったんだけど、言い過ぎただけだから忘れて」
私と颯太の恋愛の価値観……?
ただ真っ直ぐに恋をすることが精一杯で、そんなことをよく考えていなかった。
それに付き合いたいのは颯太じゃないから関係ない。
「とっ…、とにかく!勘違いしないでね!私の好きな人は違うから」
「へえ。いるんだ?好きな人」
バカ!私のバカ!
何でこんなところで墓穴掘ってるの!?
変な汗まで出てきて、さっきから心臓に悪いことばかり。
願掛けをするつもりだし、今は告白するのは予定外。
なんて言おう…。適当に誤魔化す……?
でもまた誤解を招く羽目になりそうだし、どうすればいいの?
でもここで『ソラのことが好き』って伝えたら、もうこんな苦しい気持ちがなくなるはず。
きっと、……そうだよね。
俯いて目をギュッと紡ぎ、震える手で彼を指差した。