シアワセ∞経路
第11章 二人の恋
入学式が始まる前に入った教室では知らない人ばかりだった。
高校生こそは、友達たくさん作って楽しく過ごしたいな。
中学の頃みたいに辛い思い出はもう勘弁だし、あんな事も人生で頻繁に起こるはずもないと思う。
とりあえず席も近くの前の出席番号の人と仲良くなろうかな。
男子はともかく同じ女の子の友達が欲しい!
けれど肩が重くなるような気配を感じ、ワクワクしていた気持ちはあっという間に覆される。
私の座る席の横を通った人物に目を疑う。
前の席に椅子を引いて座ったのは、偶然にもあの佳菜美ちゃんだった。