シアワセ∞経路
第11章 二人の恋
「うまくいってねぇよ。
ボロボロだから、癒しが欲しいな~って思って風子に会ったわけ」
「そうなんだ……。じゃあ肩揉んであげよっか!」
「マッサージ……?オレはじいさんかよ。そのリラックスじゃない方だよ」
「ごめんなさい。付き合ったことないし、恋愛経験も乏しくて。
男の人にとってどういうのが癒しになるとかよく分からなくて」
「おまえは男のことなーんにも知らないんだな」
ごもっともなツッコミを間に受け、身を小さくして黙り込むしかなかった。
今考えてみると、颯太よりも恋愛経験が断然ない私が恋愛相談に乗ってるっておかしい話。
どうして私なんだろう。
こんな未熟な意見を聞いてくれていたと思うと変な汗が出て顔が火照る。
「私はもっと勉強しないとだね。
颯太先輩!男の子について色々教えて下さい!」
すると隣を歩く颯太の足取りがゆっくりとなり、そして止まった。
どうしたのかなっとそこを振り向くと、いつもに増して真剣な顔をして立っている。
「じゃあ風子がもしアイツに振られたら……。オレがおまえの初めてを全部もらう」