シアワセ∞経路
第11章 二人の恋
「えっ……?」
「これなら遠慮なく色々教えてあげられるけど?」
「なっ……何言ってるの?冗談でしょ」
「賭けがあった方が面白いだろ?まっ、冗談で終わりそうだけどな」
いやいや、告白自体賭けじゃないの。
それに颯太と友達以上の関係なんて想像もつかない。
この距離がちょうど良くて、これからもいい友達でいられると思っていたのにその想いが一気に打ち砕かれる。
驚くような話題をふられて、会話が続かず黙りながら歩く。
人が誰も通っていない路地に入ったところだった。
颯太に簡単に離れられないくらい両腕でギュッと抱きしめられた。
「だめ?」
颯太が耳元で優しく呟く。
一人寂しくいる自分がずっと心の底で欲しかった誰かのぬくもり。
「だっ…だめに決まってるって!颯太には好きな人がいるんだし……こういう事は好きな人としなくちゃ」
突き放さないといけないのに傷付けるのが怖くてできなかった……。
“風子は颯太と合わないよ”
勉強会の帰りにソラに言われたあの言葉が頭を横切る。
合わないのは恋愛に対しての価値観って言ってたっけ。
颯太は好きな人がいても、他の女の子にこんなことするんだ……。