シアワセ∞経路
第11章 二人の恋
「じゃあ、風子の方が好きって言ったら?」
「信じない。絶対ない」
「否定しすぎ。本当だったらオレ大失恋じゃん」
颯太の両手がパッと離れ、私の身体が解放される。
言葉の流れに合わず颯太は余裕の顔をしていた。
「なあ、いつ告白するんだよ」
「5月15日だけど」
「ふーん、あいつに告白して振られたら風子は絶対立ち直れないだろ」
「うっ……」
考えたくもないことをさらりと言われる。
「そうなった時に、オレが風子を可愛がって忘れさせてやるよ。保険かけといたら?」
つまり、私がソラに告白して振られたら颯太が色々教えてくれながら忘れさせてくれるってことなのかな。
振られた自分がどうなるかなんて想像できなかった。
だけど颯太はさっきのことを"冗談で終わる”っと言っていた。
ソラのことをよく知っている彼が言うんだから、告白は上手くいく…はず。