シアワセ∞経路
第14章 本当の気持ち
――え……?
「あれ?今、女の子に話しかけられなかった?」
颯太の隣にいる友達が私の存在に気付く。
「気のせいじゃね?でも、あれ?」
もう一人の友達が私の方を振り向いた後に、颯太もこっちを見る。
やっと話せると思って一歩前へ足を進めようとすると、一気に冷たい視線に変わる。
「……いや、あんな子知らねえよ」
あれ……、なんで……?
信じられない一言で踏み出せなくなった。
「そっか。でさー、さっきの授業で……」
男友達との会話の続きをして過ぎ去っていく颯太の背中を見ていた。
どうして知らない人のふりするんだろう。
少し落ち込んでいると、いきなり全く見知らぬ女の人に背中をトントンッと叩かれて声を掛けられた。
「オイ、あんた。1年の小神風子でしょ」
「はっ、はい」
何を言われるのか怖くて、ごくんと唾を飲む。
その女の人は金髪で巻き髪、第一印象がギャルの一言で片付けられそうな人だった。
腕を組んでキツイ目をしているし、立ち姿から威圧感が漂っていた。
「颯太と話そうとしていたでしょ?あいつはマジでやめときな」
「……」