テキストサイズ

シアワセ∞経路

第16章 あの日に戻れたら



ひとりで声を出さずに考えているのをやめて、ソラの方を見てみると目線がピタリと合った。




恥ずかしくて、すぐに目を逸らす。




一旦、深呼吸をして、再びそっと視線を向けて、話を続けた。





「……ソラ、ありがとう。こういう話を聞いてくれて。実は前からもずっと救われてた」





「それならよかった」




「ひとつ聞きたいんだけれど、どうしていじめられてる私を助けてくれるの?……優しいから放っておけないとか。
それとも、……ソラもいじめられてたとか…?」




恐るおそる聞いている私の様子を見て、クスッと笑ってから答える。




「俺はそこまでお人好しな人間じゃないし、いじめられたこともないよ。ただ…、その……。
まあ、好意があったから放っておけなかったんだ」




答えの中に間が入った時、一瞬だけ愁いの色が見えた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ