シアワセ∞経路
第17章 もし出逢っていなかったら
「風子こそいいのかよ。オレがおまえを捨てたら、この学校でひとりぼっちだろ?
オレは、一度捨てた女には二度と関わるつもりはねえから」
「……私はただ、前みたいな友達に戻りたいだけだよ」
「ふーん。このままずっと遊び相手でいてくれるって言うなら別だけど」
「それって友達ってことだよね? 分かった!ゲームでもスポーツでも一緒に遊ぶから……!」
「フッ……。本っ当、馬鹿だなおまえ」
不機嫌だった表情が緩んで、やっと笑ってくれた。
ホッと胸をなでおろしたところに、突然口付けされた。
「んっ……」
腰に手を回され抱き寄せられて、さらに強引に唇を何度も重ねられる。
抗いたいのに体の力は奪われてしまい、翻弄される。
「体はこんなに素直なんだな。……ここでヤる?」
「……っ!」
不意にも体が熱くなってしまった。
我に返って、颯太の胸板を強く押して密着した状態から離れる。