テキストサイズ

シアワセ∞経路

第19章 シアワセ





「この子がいたくないって言うんだから仕方ないでしょ。それにもう決まったことなんだから」





沈黙を破るように唯子さんが助け船を出してくれる。






悲しそうな顔をするパパを見て、私は再び口を開いた。






「好きな人ができて、やっと分かったんだ。……想いあってるのに一緒にいれなくなるのはつらいってこと。だから、私はパパに……今度こそ幸せになって欲しい」






「風子はまだ子供なんだから、自分の幸せを考えなさい」






「私は幸せだよ。こんなに想ってもらえる人に出会えたんだから」






「……」






「今まで……ありがとう……ございました」






だめだ……。





ちゃんと言いたいことを言ったはずなのに、涙が出てきてしまう。






自分で決めたことなのに、泣いて話すって……。




未練があるみたいじゃん……。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ