シアワセ∞経路
第20章 After Story
『着いたよ』
相変わらず待ち合わせ場所に来るのが早い。
『ごめんね。ちょっと遅れます』
っとメッセージを送ると、すぐに返事が来た。
『急がなくていいよ。待ってるから』
そして相変わらず優しい。
急いでいる時に、面倒なことを押し付けられて少しモヤモヤしていたけれどソラのおかげで癒される。
とりあえず、早く終わらせないと……!
気を取り直して、この資料集はどこにしまえばいいのやら。
ぐるりと室内を見渡していたら、ドアの向こうに佳菜美ちゃんが立っていた。
「…………」
無表情で無口のままこっちを見ている。
なにか言った方がいいのかな……。
「片付け終わったかー?」
困っているこの状況を助けてくれるように、現社の先生が佳菜美ちゃんの後ろに現れた。
「はっ……、はい!終わりました」
「佳菜美はこんなところにぼーっと立ってどうした?小神にだけやらせてないよな」
「えっ……、いや……あたしは……」