シアワセ∞経路
第20章 After Story
「バカッ!危ない!」
私が物を移動したせいで、頭上よりも高いプロジェクターのスクリーンがグラッと傾いた。
段ボールの山もいくつか巻き込まれて倒れてくる。
佳菜美ちゃんが庇うように、私の体をドンッと強く押した。
えっ…………。
佳菜美ちゃんに押されて、窓ガラスに当たった。
――……バリンッ!
受け止めることなく、大きな音を立てて窓が割れた。
ガラスの破片が目の前でキラキラと舞う。
その瞬間を記憶するように、時間がゆっくりと流れた。
窓ガラスを突き破った後、ベランダの柵のコンクリート部分に頭を強く打った気がした。
あれ…………、目の前が……赤い……――
真っ暗い世界に飲み込まれそうになって、抵抗して目を開けようとするけど身体が動かない。
いやだっ……、こんなところで……
早く……ソラに伝えたいのに…………
ぼんやりとして、気が遠くなっていく。
…………――
もっと早く伝えていればよかった。
そう後悔した。
未来は保証できないものなんだって。
この時、初めて知った。
昨日、言っていればよかった。
そしたら、死んでもいいくらい幸せになれていたのかな。
でも、もう遅かった……。
――――…………
……ソラに……会いたい……――
あれ…………
ソラって……
誰のことなんだっけ…………――――