シアワセ∞経路
第4章 あなたのとなり
――…そうだ……!!
「この際だから、大空先輩のあだ名考えてみたんだけど」
「あだ名?なんで今更……」
小さい頃は、名前に君付けだった。けれど今は思い浮かんだから提案してみる。
「大空 塑羅緒でしょ。名前に二回そらって付いてるから、省略して“ソラ”って言うのはどうかな?」
自信満々で私は言ったつもり。
「……省略とかなんだそれ。……まあ、いいけど」
「それじゃあ、決まりだね。……それに、ソラは空みたいだなーっても思ったんだよ」
採用されて私が喜んでる一方、ソラはやれやれとした感じで見ていたようだった。
「んー?なに今のギャグ?よく聞こえなかったな」
「ええ……、いっ……今のは聞かなかったってことで」
言いたいことが上手く伝わらなかったけれど、それでいいと思った。