シアワセ∞経路
第5章 共力者
「あのー、大空先輩ですよね?」
噂をしていたあの佳菜美ちゃんが後ろからやってきた。
話に夢中になっていて、彼女の存在に全く気づかなかった。
佳菜美ちゃんはクラスメイトと話してる時のように、にっこりと笑顔をソラに向けていた。
何が起こるのかと、ハラハラして唾をごくんと飲む。
「……」
一方、ソラはいきなり話さなくなった。
佳菜美ちゃんの問いに対して『うん』と言っているように首を縦に振った。
「海田先輩が、どこにいるか分かりますか?」
なんだ、彼氏を探してるわけか。
ソラは私の両肩をぐいっと掴み、盾にするように後ろに隠れた。
そして佳菜美ちゃんに聞こえないくらいに、こっそりと言葉を放った。