1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第7章 ――斎藤 梢 編――
「ちょっと! いきなしそんな大声出さないでよぉ~! 鼓膜破れるかと思ったじゃ~ん」
気の抜ける声。
梢は安心し、その場に座り込み話した。
「なんだぁ~千里かぁ~。ゴメンゴメン! いや、今何かさ、誰かに後つけられてる気がしてさっ!」
「マジ!? えっ!? ストーカーな訳? そういう奴には、チ○コに蹴り喰らわしてやんなよっ!」
千里は他人事の様にケラケラ笑いながら話した。
「何それ~! そんな事して逆に襲われたら、千里に責任とってもらうからねっ!」
千里の声を聞いて、梢はようやく気持ちが落ち着き、道路に散らばった荷物をカバンにしまいながら話を続けた。
「で? 何か用があって電話したんでしょ? 何かあったの?」
「うん♪ 今日さぁ~カラオケでかなりのイケメンにナンパされちゃって♪ その自慢♪」
千里はかなりご機嫌なようだ。
「ちょっ! それだけ? 自慢するために電話したわけ?」
梢は呆れた様に言ったが、本心は、あの恐怖から解放されたのだから、話の内容は何でもよかった。
「そうだよぉ~♪ 今からホテルいっちゃうんだから♪ 最近、オヤジとばっかりやってたから、イケメンとやるなんて緊張しちゃう~」
千里は援助交際で、小遣いを稼いでいたので、セックスの相手はオヤジばかりだったのだ。