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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第7章 ――斎藤 梢 編――


 梢は見てしまったのだ。




 あの女を…………。





 距離は結構離れているが、あの異様な雰囲気……。

 それによく見ると、後ろからくる人達は、その女の体を平気な顔ですり抜けていく。



「きゃああああああああ!」



 梢は叫びながら、再び走り出した。





『人間じゃない……人間じゃない……』





 梢はもうパニック状態だった。

 女との距離が段々縮まっていく……。

「お願い!! 助けて!! 殺される!!」

 梢は目についた人の肩を、1人1人掴むと、必死に揺すりながら助けを求める。

 しかし、どうやら女は梢にしか見えないらしく、助けをいくら求めても、誰も相手にしてくれない。

 寧ろ、頭の狂った女の子にでも絡まれていると思っているのか、肩を掴まれた人達は、かなり迷惑そうな顔をしている。

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