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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第7章 ――斎藤 梢 編――


 階段を登っている時、丁度電車が入ってくるアナウンスが聞こえた。

「まもなく、3番線に電車が参ります。黄色の線の内側までお下がりください」

 梢は座席に座りたかったので、急いで階段を登りきり、列に向かって走ろうとした時、肩を“ポンポン”と叩かれた。

 梢の身体に緊張が走る。

 背中に突き刺さるような視線……。

 膝がガクガク震え、心臓の音が激しく身体に鳴り響く。

 それでもこのまま振り返らない訳にはいかない。

意を決した梢は、恐る恐る後ろを振り向いた。

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