無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　テレビを見ながら朝食をとっている時、香織は今まで忘れていた事を急に思い出した。

『昨日のぬいぐるみはまだ風呂場にあるのかな？』

　と…………。

　香織は１人かくれんぼの説明を読んだ時、てっきりぬいぐるみが襲ってくるのだと想像していたのだが、実際はぬいぐるみなんて全く出てこなかった。

　もしぬいぐるみがそのまま浴槽に沈んでいるならば、片付けないといけない。

　まぁ口に含んだ塩水は全部吐いてしまったし、残りの塩水も先ほど何気無く捨ててしまったので、“終わらせる時にぬいぐるみに塩水をかける”　という行為はもう出来ないのだが……。

　それに香織は初めから、１人かくれんぼを終わらせる気は全くなかったし、たとえぬいぐるみがあったとしても、ごみ袋に入れて捨てる程度で、燃やしてまで処分しようとは考えてもいない。