1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第8章 成功
片付けながら、一応ぬいぐるみをもう一回探してみたが、やはり見つける事は出来なかった。
「ふぅ~こんなもんかな?」
香織は腰に手をあて、おでこの汗を拭いながら、満足そうな表情で言う。
それと同時に、自分から発している、何とも言えない汗臭い匂いに我慢できなくなった香織は、シャワーを浴びようと、風呂場に駆け込んだ。
『あぁ……いい気持ち♪』
それはまるで、シャワーのお湯が、汗と一緒に疲れまで洗い流してくれているかのようだった。
しかし、やはり浴槽からいなくなったぬいぐるみの事を考えると、髪の毛や顔を洗っている時、誰かに見られているような視線を感じ、何回も後ろを振り返ってしまった。
いつもは、結構長風呂の香織も、流石に気持ち悪くなり、この時ばかりは早々とシャワーを終わらせ、風呂場から離れた。