無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　すると、遠くで微かに誰かの声が聞こえてきた。

　香織は何だか嬉しくなり、その声の方に向かって再び歩き出した。

　ゴロゴロ……。

「キャハハハ♪　待ってよ～♪」

　ゴロゴロゴロ……。

　どうやら小さい子供が、はしゃぎながら何かを必死で追いかけているようだ。

「何してるの～？」

　香織はその声の方に向かって、声をかけてみた。

　………………。

「キャハハハ♪」

　タッタッタッタ…。

　香織の声には何も返事は返さないが、その子供は香織の方に走ってくる。