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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第8章 成功


「あの……今日この駅で人身事故があったって聞いたんですが……」

 香織がそこまで言うと、駅員は質問される内容を理解したようで、

「あぁ~その事か……今さっきも、君とおんなじ制服を着た子達が、被害者の女の子の名前を聞いてきたんだけどね……残念だけど、詳しい話は話しちゃいけない事になってるんだ。ごめんね」

 と言うと、後ろを向き席を離れようとした。

 香織は簡単には教えてくれないだろうと予想していたので、すかさず話を続けた。

「すいません……個人情報なので、教えてもらえない事は分かってるんですが、実は昨日から連絡が取れない友達がいるんです……もしかしたらその友達なんじゃないかと心配で……お願いです、どうしても教えていただけないですか?」

 香織は少し涙声で話すと、ポケットからハンカチを取り出し、目にあてた。

 香織は我ながら完璧な演技だと思った。

 ここまでやれば流石に何か話してくれるだろうと思っていたのだが、考えは甘かったようだ。

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