1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第2章 自殺
突然強い風が吹き、香織の身体がよろけた。
……………………。
一瞬にして視界がぼやける。
『怖いっ!!!!!!』
飛ぶ前に下を見たのが間違いだった。
気持ちは飛ぼうと体を乗り出すが、肝心の一歩が踏み出せない。
何度試しても、前に一本進む事が出来ないのだ。
あと一歩踏み出すだけで、楽になれるというのに、恐怖が勝って何もする事ができない。
『私は自分で自分を殺す事も出来ないっていうの?』
香織はそんな弱い自分を悔いて涙を流した。
しばらく時間が経ち、気が付くと、香織は腰が抜け、フェンスを掴みながら地べたに座りこんでいた。