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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出


 なんだかうまく説明はできないのだが、人を見下したような目……。

 それはまるで、自分の大嫌いな母親を連想させるような感じがして、香織はかなり嫌だったのだ。

 例えその視線が自分に向けられたものじゃなかったとしても……。

それなのに、香織がイジメをうけていて、ましてやそのリーダーが親友の優香里だって事がバレたら……。

 考えただけでも恐ろしい。

 幼い頃のように優香里に渇を入れるだけならまだしも、まさかそんな事だけで終わるはずはないだろう。

 もしかしたら命の危険すらあるかもしれない。

 大好きな静江が自分のせいで殺人犯になる……。

 これは流石に大袈裟に考えすぎかもしれないが、そうならないと確実に言える自信は香織にはなかった。

 この想像を決して現実なものにしてはならないと、香織は少し意地になっていたのかもしれない。

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