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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 小さい頃、子供の楽園のように思っていたこの場所は、久しぶりに足を踏み入れても、かなり広く感じられた。

 入ってすぐ目につくのは、滑り台にブランコ、鉄棒に砂場といった定番の遊具。

 後はちょっとしたピクニックができそうな芝生が奥の方にあり、所々にある街灯の下にはカップルが寄り添うのに丁度いいサイズのベンチ。

 そして公園の中央には大きな噴水があり、何分かおきに噴水の周りにあいている穴から勢いよく水が吹き上がっていた。

 流石に平日のこの時間なので、公園にはベビーカーを引いた親子や、仕事中の休憩をしているのか、スーツ姿のサラリーマンぐらいしかいなかった。

 香織は人があまりいない事を確認し、ホッと胸を撫で下ろすと、噴水のある広場の方へ向かった。

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