
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第9章 思い出
辺りを見渡すと、水しぶきが太陽の光に照らされてキラキラと輝き、とても幻想的な場所に見えた。
「綺麗……」
香織はそう言うと、思わず手をかざす。
最近、精神的にも肉体的にも色々思い詰める事が多すぎて、こういう日常的に溢れているささやかな幸せを久しぶりに感じ、素直に嬉しく感じたのだ。
香織の普段の格好は、腰の辺りまである癖毛の黒髪をふんわりと仕上げ、“可愛い”という言葉がよく似合う、いかにもお嬢様といった感じだ。
しかしこの時の香織は、水に濡れたせいで髪はまっすぐなストレートになり、びしょ濡れになった制服を着た姿が妙にセクシーに見え、思わずみとれてしまうほど美しかった。
