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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 しばらく時間が止まったかのように水と戯れていた香織だったが、ふと視線を感じ、後ろを振り向いた。

「キャハハハ」 

 水しぶきのせいで、しっかり姿を確認する事はできないが、どうやら小さな子が香織の周りを走り周りながらはしゃいでいるようだ。

 小さい子に紛れて、一緒に水遊びを続けるのは流石に恥ずかしく、香織はそそくさとその場から離れて近くのベンチに腰掛けた。

 噴水の方に目をやると、水しぶきの間から先程の子供が元気に走り回っている姿が見えた。

『楽しそう……私もあの頃に戻りたいな……』

 少し寂しい感情を抱きながらも、香織はその光景を微笑ましく眺めていた。

 しかし、ちょっと気になる事があった。

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