1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第4章 いじめ
香織の家に、もうすぐ着く曲がり角の所で、彰がふと立ち止まった。
「どうしたの?」
香織が聞くと
「今さらこんな改まって言う事じゃないかもしれないけど……」
突然、彰が香織を抱き締め、続けた。
「俺、香織との付き合いマジだから! マジで香織の事大事にするから!」
少しの間があき、香織も彰の背中に手をまわす。
「私も……彰君の事大好きだよ」
二人の顔が近づく……。
二人は付き合って初めてのキスを交わした。
香織は凄く幸せだった。
こんな日がいつまでも続くと信じていた。
「じゃあ、明日な……」
彰は照れくさそうに言う。
「えぇ、コーヒーごちそうさま。凄く美味しかったわ。また明日ね」
香織は彰の背中を見送る。
この時、二人を見る殺意の視線に、香織は気付くはずもなかった……。