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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第4章 いじめ


 学校に着き、上履きを履こうとする香織の手がとまる……。

「あれ?」

 思わず香織は辺りを見渡たした。

 いつもあるべき場所にあるはずの、上履きがどこにもないのだ。

『誰かが間違って履いていったのかしら?』

 仕方がないので、香織は、学校のスリッパを借りて教室に向かった。

「おはよう!」

 元気よくクラスの皆に挨拶をした香織だったが……。



「…………」



 いつもなら、何人かの女子が、笑顔で挨拶を返し、近づいてくるのに、今日は誰ひとりとして近づいては来ない。

 それどころか、クラス全員の冷たい視線が香織に集まった……。

『どうしたんだろう?』

 香織は異様な雰囲気に息を飲み、どうしたらいいか堪えられなくなって、咄嗟に優香里の姿を探した。

 しかし驚く事に、その視線の中には、優香里の姿もあったのだ。

「優香里?」

 香織がそう優香里に呼び掛けると、優香里はゆっくり香織に近づき、耳元で



「死人が登校してきちゃだめでしょ……」



 と囁くと、香織の顔を馬鹿にしたような目で見つめながら、鼻で笑い、いつも毛嫌いしているはずの、不良グループ

 浅倉 沙織(あさくら さおり)

 井上 千里(いのうえ ちさと)

 斎藤 梢 (さいとう こずえ)

 の元へ向かい、楽しそうに話をしはじめた。

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