1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第4章 いじめ
昨日、彰と仲良く歩いた道を1人でトボトボ歩きながら香織は思う。
『昨日まであんなに楽しかったのに……別れる時も“また明日な”って優しく言ってくれたのに……』
香織は初めて見た。
あんな怖い顔をした彰を。
『誤解されたまま、こんな形で彰君と別れるなんて、絶対嫌だ!』
自然と香織は走り出していた。
彰のマンションに着き、香織はエレベーターに乗り込むと【5】のボタンを押す。
扉はなかなか閉まらない。
香織は【閉】ボタンを連打する。
彰の優しい笑顔を想像しながら……。
ピンポーン――――――