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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第6章 決行


 香織は静江の目を盗み、引き出しの中にある別荘の鍵を取ると、ポケットの中に入れた。

「いってきま~す」

 香織は元気よく家を出る。

 辛かったイジメに耐えるのも今日で最後。

 どんな事をしてでも、あの4人の一部を手に入れなければならない。

 しかし香織はそんなに心配はしていなかった。

 間違いなく今日もあの4人は、香織をイジメに来るだろう。

 いつもの香織なら、ただ時間が過ぎるのを黙って我慢するだけだったが、今日は思いっきり抵抗してやるつもりだった。

 それこそ、髪の毛が全部引きちぎれてしまうほど……。

 香織は想像しただけでワクワクした。

 この時の香織は、【1人かくれんぼ作戦】が、失敗に終わるかもしれない事なんて、もうどうでもよかった。

 いや、もしかしたら、仕返しのきっかけを探していたのかもしれない。

 何か理由がないと、あの4人に歯向かう勇気なんて香織には持てなかったのだ。

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