
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第6章 決行
別荘へ向かうタクシーの中で香織はふと思った。
『私あのままアイツラを殺す事もできたんじゃないかしら?』
どちらかと言えば奥手な自分が、突発的とはいえ、人に向かってあんな行動をとった事事態、正直ビックリしたのだ。
人間怒り狂うと、自分でも信じられない力が出るもんなんだと思いながら、香織は自分の手を見つめる。
もし、【1人かくれんぼ】をしても、あの4人に何事も起こらなければ、これからはもっと酷いめにあわされるだろう。
けど……もし殺す事ができたとしても、それは呪いが効かなかった時の最終手段だ。
あんな奴等の為に、警察に捕まるなんて耐えられないと香織は思った。
本当に幽霊が、香織の代わりにあの4人を殺してくれるのなら、こんな素敵な事はない……。
『……こんな思いで1人かくれんぼする人なんて、私ぐらいしかいないでしょうね……』
香織はこれからする、1人かくれんぼを想像しながら、タクシーから流れる景色を眺めた。
