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二重人格ってご存知ですか?

第2章 第1章


走って和也から逃げたのはいいけど…


(はぁ)

そのぶん早く家についてしまった。
入りたくない。




だって、入っても誰もいないから…




俺には親がいない、だから親が誰なのかわからない。

親代わりもいない。

ずっと今まで孤児院で過ごしてきた。

退屈だった。

孤独だった。

親代わりの人たちを俺は殴ったり蹴ったりして誰も近寄らせないようにした。
せっかくの親代わりを殴ったりしたせいで、孤児院のみんなからイジメられた。

友だちからは『忌み子だ。みんな近寄るな』先生からは『生きてる意味がわからないでしょ。あなたは生きてはいけない存在なのよ?だから早く◯んで。』


高校生になってバイトして金ためて、やっとの思いでアパートを借りて一人暮らしができた。

孤児院をでるとき誰も見送りにきてくれなかった。


どんだけ嫌われてんだよ俺は…




「…っ」

思い出しただけで涙がでてしまう。俺が悪いのに…。



俺ってバカだな。





「尚輝?」




聞き覚えのある声が聞こえた。


「…っ…なんで…なんで和也がいるんだよ」


「尚輝が気になってさ(笑)…ってえぇ!?泣いてんの?大丈夫?」



あたふたしている和也を見て安心した。


「…っごめん大丈夫。すぐ泣き止むと思う、、和也!?」


俺は和也に抱きしめられていた。

「大丈夫なわけないよな……。あっごめん抱きついたりして。」

そう言い離れようとする和也を俺はなぜか止めてしまった。


「和也!!…もう少し。もう少しだけこのままがいい。」


「尚輝…。んっ、わかった。」

和也はそれ以上はなにも喋らず、抱きしめてくれた。


(和也の匂い。なんか落ち着く…)

俺は和也の胸に顔を埋めて目をつぶった。

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