テキストサイズ

もう、お前を離さない。

第5章 和哉の気持ち

花怜目線

家の前に誰かいる…。

「えっ……?」

その人は、片手に刃物を持っていた。

「こ、怖い…。」

身震いするのがわかった。
ベッドに入り、頭まで布団をかぶった。

「あの人は、一体誰?怖い。怖いよ。」

やがて玄関の方から大声が聞こえた。

「何処にいるんだい!出てきな!お仕置きしてやる!!」

ビクッと身体が震えた。
この声…。間違いない…。この声は……

「お、お母さま?」

「早く出てきな!!ここに居ることはわかってるんだよ!!」

「い、嫌、怖い。和哉さん助けて…。」

お母さまは、私を探しに来た。お仕置きされる!でもここにいたら、和哉さんやメイドさんたちの迷惑になる!だったら…。

「お母さま!私はここにいます。」

決めた。もう迷わない。私はここにいちゃいけないんだ。

「お母さま…。お仕置きなら、受けます。ちゃんと家に帰りますから。ですから、どうかここにいる人達を傷つけないで下さい。」

「なぜ今まで帰ってこなかった?まさか、私から逃げられるとでも思ったのかい?」

「私はお母さまのものです。ですから、帰りましょう。お母さま。」

「ふん。いいだろう。次、いなくなったり、逃げよう何で思ったら。おまえに関わったやつ全員ただじゃおかないからね。わかったかい!」

「はい…。お母さま…。」

私は静かに屋敷の扉をしめた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ