テキストサイズ

もう、お前を離さない。

第3章 新しい生活

花怜目線

まさかこんな優しい人が世の中にいるとは思わなかった。
私に服を貸してくれた。
私に名前をくれた。
私に部屋を貸してくれた。
何よりも私に優しくしてくれた。

ちょっと適当な所もあるけど、優しくていい人。もし願いが1つ叶うなら、私はあの人、和哉さんの1番になりたい。そして、お返しがしたい…。
何でこんなこと思うんだろう?

「コンコン。」

ドアがノックされた。

「失礼します。
ご主人様より屋敷の案内をするようにとのことで来ました。今、お時間よろしいでしょうか?」

「は、はい。」

「では、こちらへどうぞ。」

メイドの人に連れられ屋敷をまわる。

「あの。さっきのご主人様って和哉さんのことですよね。何のお仕事をなさっているのですか?」

「はい。ご主人様は、○○会社の社長をなさっております。小さな小物やアクセサリーで有名な会社でございます。」

「へぇ~。そうなんですか?会社の社長さんをしているのですね。すごいです。」

「若いころから、次期社長として頑張っておられたそうです。私は3年前にここへ来たばかりなので、よくは知りません。」

「そうですか。教えてくださってありがとうございました。」

「ここで最後です。この部屋は、ご主人様の部屋でございます。ご主人様はこの部屋で仕事もなさっています。」

改めてこの屋敷が、広いことにきづいた。広すぎる。長い廊下に、たくさんの大きな扉、同じ柄の壁や床がずっと続いている。

「迷ってしまいそう。」

と自分の部屋の道のりを思い出しながら、自分の部屋へかえっていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ