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詩集

第2章 接触

あなたとわたしが触れ合って、2人でいっしょに溶けていく
あなたにキュッと巻き付いて、やさしくはげしく溶けていく
わたしをやさしく撫で上げて、ゆっくりとろとろ溶けていく

そっとあなたのさきっぽが、わたしの身体を溶かしていく
熱い感覚がずぶずぶと、わたしの身体を拓いていく

触れたところは雫になって、わたしの胎(なか)のあなたを溶かす
潤んだあなたの目を見つめ、あなたの形を感じながら

ずん、とお腹にあなたが響いて、ここがわたしの行き止まり
おなかのなかでキスをする

わたしのとろとろ、あなたのとろとろ
ふたつの口が交換しあう、ディープキス…

そのとろとろが、きもちいい
おなかのなかが溶けていく

ゆっくりとろとろあなたが動く
いろんなところにこすれあい、とろとろわたしも溶けていく
おなかのなかがきもちいい

一度生まれたその感覚は、どんどんどんどん大きくなる
おおきく、はげしくもつれ合う

きもちよさとうしろめたさ
ふたりで舐める、あまいキモチ(感情)

ふたりの雫でどろどろに汚しながら、あなたとわたしで舐めあうキモチ
キスするたびに、増えるキモチ

ふたりで甘い声をだし
そのキモチをなめあげる

キスするたびに、舐めるたびに
切ない声がひびきあう

ひときわ切ない声がして
あなたの雫がこぼれおちた

キスをしながら

とびちる

まきちらす

熱いキモチを、お胎(なか)に受けて
それからあとは、覚えていない

甘いキモチが背中を伝い
頭のなかがまっしろに染まる

ぎゅっと全身が硬直して
甘いキモチに塗りつぶされる

ぴりぴりとしびれを残して、ぬるりとあなたがゆっくり出て行く
わたしの雫とあなたの雫
ぬるりと糸を引いていた

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