えっちな「やみのおうへのみち」
第1章 「暗黒への誘い」
俺はなんだか楽しくなってきた。この大会自体が怪しくて愉快だし、もし勝ってしまったら、とんでもない豪奢な生活が両手を広げて、俺を抱擁しようと待っている。とにかく俺にとっては面白いことばかりだ。もしあの素晴らしい景品を獲得してしまったらどうしよう。まずは手に入れた女奴隷を思う存分楽しもうか。そして俺の好きな食べ物である蕎麦、これを飽きるほど食いたい。高級な蕎麦を俺だけのものにしたい。闇の王というくらいだから、きっと地上世界の総理大臣なんて目じゃないほどの権力も手にはいるだろう。そしたらきっと蕎麦に税金をかけて、容易に人の口に入らないようにしてやるのだが。そんなことを考えていたら、またしても階段は終わり、暗い空間に投げ出された。10秒ほど佇んでいたところでさっきと同じように、急に辺りが明るく照らされた。目が慣れると、今度は俺は自分がかなり広い、風さえ通っている場所にいることに気づいた。そして、100メートルほど先に、ドーム型施設のゲートがライトアップされていることにも。