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えっちな「やみのおうへのみち」

第3章 「漆黒の射手――聖弓煌く沈黙の少女」

4時間ほどたっただろうか、目が覚めると喉の渇きを感じたので、部屋に備え付けられた冷蔵庫から炭酸水を取り出し一気に飲み干した。俺は甘い飲料が嫌いだが炭酸は好きなので、味の添加されていない炭酸水をこのように用意しておく控え室の管理人のセンスを好ましく思った。このまま部屋でぼうっとしていてもしょうがないから、俺は部屋を出て次なる対戦相手を探し出すことにする。ドアを開けると薄暗い廊下が100メートルほど伸びており、これを光の射すほうへ歩くと、巨大な重い扉があった。これは競技場の観客席への扉であった。俺は観客席に降り立ち、下方のグラウンドへと目をやった。そこには腰まで届く黒髪の、美しい女子高生がこちらを睨んで佇んでいた。なぜ女子高生だと分かるかというと、彼女が俺の知っている高校の制服を着ているからだ。

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