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身代わり妹

第6章 暗転

「院長先生には、凌太さんていうお医者様になられた立派な息子さんがいる。将来安泰なあなたにはわからないでしょうよ!」


このままじゃ、母の罵倒の標的が院長先生に変わりかねない!

「あのっ! すみません‼︎」

私は慌てて院長先生と相談室長に深々と頭を下げた。


「話はドアの外で聞いてました。

姉の転院の事……お金はキチンと用意しますので、どうぞよろしくお願いします」


静まり返る院長室内。

恐る恐る顔を上げれば、

満足気な母の顔と、

戸惑う院長先生と相談室長の顔。


由美さんと凌太の家族である院長先生には、本当に頭が上がらない。


きっと心配だよね?

2人に迷惑が掛かるんじゃないかって。



─────頑張らなきゃ‼︎

何としてもお金を用意して、2人には迷惑掛けないようにしなきゃ。



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