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でも、中卒でまともな働き口なんてない。


職を転々としていた私を、由美さんは病院の社員寮に入れてくれ、病院ではなく秋村邸の家政婦として雇ってくれた。

そして、働きながらでも高卒の資格を取るよう勧めてくれ、資格を取った私をこの病院に雇ってくれた。

病院で働くならばと、給料アップの為にも医療事務の資格を取るように言ってくれたのも由美さんだ。


私にとっては実母よりよっぽどお母さんみたいな人。



「お祝いしよ？ 今夜空いてる？」

由美さんが私の顔を覗き込む。

「あ、はい。でも、そんなお祝いなんて……」

「私たちの間で遠慮はなしよ！」

そう言って微笑む由美さんは、本当に"理想のお母さん"で、私の涙腺がまた緩みそうになる。

「あ…ありがとうございます」

泣かないように必死に作った笑顔で、私は由美さんにお礼を言った。