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「ん……？」


ぼんやりと目を開ける。

白い天井…点滴に繋がれた私の左手…。


(ここ…秋村病院……？)



そう気付いたと同時に、仕切られたカーテンの向こうから騒がしい声が聞こえた。


「美姫ちゃんが死んだのは、院長が無理矢理大学病院に転院させたからだ。慰謝料払え！」


私の…母親の声だ……。

姉が─────？



「大学病院で治療を続ければ完治する可能性があった。それなのに治療拒否を続けたのは美姫さんの意思です」

院長先生の落ち着いた声が聞こえる。

「以前よりかなり体力が落ちていたんです。治療拒否に身体がついていかなかった……」



まさか……

まさか姉が亡くなったなんて……。

涙がポロポロと頬を伝う。


私のせいだ……。

私が約束を破ったから……。

私が約束破って、姉のピンチに傍にいなかったから……っ‼︎



(お姉ちゃん…ごめんっ……)

心の中で姉に謝る。


(でも、心臓はあげられない。私には守るべきものがあるから……)

そっとお腹をさする。


ここが秋村病院なら……

(あなたのパパが助けてくれたんだね…)