テキストサイズ

身代わり妹

第9章 再会

ガラッ

ドアの開閉音がする。


「凌太さん⁉︎」

母の嬉しそうな声に、私も思わずドキリとした。



(─────凌太…)


会いたい……

話したい事がたくさんある……。


─────でも…


お腹を撫でる手に力が篭る。

この子の事を知ったら…凌太はどう思う……?


凌太以外の男に抱かれてお金を貰った女なんて…

きっとお断りだよね……。



「相談があるんですぅ」

母の甘えた声にハッとした。


─────まさか凌太にお金を……⁈



「……俺も…お母さんに相談…というか……お許し戴きたい事があります」



シャッ───…

外の様子に聞き耳を立てていると、不意に仕切りのカーテンが開けられた。


「美優⁈ あんた今まで何処に隠れてたの⁈ その分ちゃんと稼いで来たんだろうな⁈」

母と目が合えば、恐ろしい顔をして私を睨んでいた。



恨まれて当然。

私は姉を助けられなかった。


(私だって助けられるものなら助けたかったよ⁉︎ でも……っ‼︎)

お腹に当てていた手をギュッと握る。


私の命はこの子の命と繋がっている。

姉には申し訳ないけれど、これで…よかったんだ……。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ