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身代わり妹

第9章 再会

シャ───…ッ

勢いよく仕切りのカーテンが開けられた。


「美優、アンタまさか身体売ったの?」

私を蔑むような母親の目に身が竦む。


「……汚い」


ズキンッ

心臓が…締め付けられるように、痛い。


「お金のために自分の身体売るなんて、同じ女として理解出来ない。汚い女!」

吐き出すようにそう言った母は、汚いものを見るような目で私を見ていた。


その…通りだと思う……。

褒められる事でも、

肯定される事でもない。

─────でも…


ギュッ…

私を抱く凌太の腕に力が篭る。


「……黙れ…」

私の耳の横で、低くて冷たい声がする。


ゆっくりと母を振り返る凌太。

一瞬見えたその表情は、優しい凌太からは想像出来ないくらいに恐ろしかった。



「凌太さん⁈ 」

見たこともない凌太の顔に、母は完全に怯えていた。


「りょっ、凌太さんだって嫌でしょう? 男に身体を売ったんですよ? そんな汚い身体の女……」

「黙れって言ってんだよ!」


凌太の怒鳴り声が診察室に響き渡る。


「本来ならお前が働いて美姫や美優を養うのが普通だろ⁉︎ 散々美優を働かせて金巻き上げて、何だよその言い草は‼︎ 」

母の目が見開き、開いた口をパクパクと震わせている。


止めるべきか悩んでいると、由美さんがゆっくりと首を横に振るのが見えた。

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