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身代わり妹

第10章 新心

私の入退院や付き添いのせいで仕事が溜まり、

凌太が帰宅したのは日付が変わる頃だった。



「おかえり」

一日中横になっているせいか、寝付けないでいた私。

部屋着に着替える凌太に声を掛ければ、少し驚いた顔をして振り返った。


「……ただいま。先に寝ててくれてよかったのに」

「ふふっ……なんだか新婚さんみたいな会話」

「……新婚だし……」


そう言って凌太がベッドに潜り込む。

入浴も階下で済ませて来たのか、ふわっとシャンプーのいい香りがする。



「美優……」

ギュッと凌太の腕の中へ抱き寄せられる。


「安静にしてた?」

「うん。寝過ぎて寝れないくらい」


私の言葉に凌太が笑う。

もそもそと凌太が布団の中へと潜り、私のお腹へ顔をくっ付けた。



「大丈夫か? ちゃんとママのお腹にしがみついとけよ」


ママ……。

そうか、私、”ママ” なんだね。


嬉しいような、でも擽ったいような…

きっとこれは”幸せな気持ち”



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