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身代わり妹

第11章 疑心

「…………」

答えられない…


だって…

どうしよう……

お母さんが私に優しいの…………


凌太…どうすればいい?


甘えたいよ…

今まで出来なかった分、母に思い切り甘えたい。


抱き締めてもらった記憶もない。

こんな優しい瞳も、

こんな優しい言葉も、

初めて私に向けられたの……。



「美優…

私ね、真面目に働いて、その子にベビー用品買ってあげたいと思っているのよ?」



「─────っホントに⁈ 」

弾かれたように顔を上げていた。


「うん……」

優しい母の瞳。

優しく微笑んで頷く母。



その、言葉が嬉しくて…

私の頬に零れ落ちた一雫の涙を、

母は優しく拭ってくれた。



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