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身代わり妹

第12章 新人

コンコン

部屋のドアがノックされる。


ひょこっと顔を出した由美さん。

「美優ー、起きてる?」


「あ、はい」

ゆっくりと起き上がる。



「ねぇ美優、今日暇なら買い物行こう?」

「行きたい!」


即答する私に由美さんは嬉しそうに笑う。

私1人の昼間はなかなか外に出る機会がないから、こういう時に少しは外でいろいろ見たい。



「決まりね」

由美さんはそういうと、今だ熟睡中の凌太を見やる。


「運転手、起きてー‼︎ 」

由美さんが力任せに凌太の身体を揺さぶった。



「……休みの日くらい家でゆっくりしたい……」


凌太は他の先生のフォローに入る事も多いから、意外と重労働してるもんね。

もう少し寝かせてあげたいかも……なんて思う私とは裏腹に、由美さんはかなり強引に凌太を叩き起こしている。



「親父くさい事言わないの!」

由美さんが布団を引き剥がせば、

「もうじき親父になるんだよ!」

布団を取り返した凌太がまた頭から布団を被った。


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