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身代わり妹

第2章 嫉妬

返事をし兼ねて困っていると、

「あ!」

花純ちゃんの焦りに上擦った声。


「美優先輩、どうしよう。大山さんの保険証、返し忘れちゃった」

振り返れば、椅子から立ち上がり、泣きそうな顔をして私を見つめる花純ちゃん。


「まだ走れば間に合うかも」

チラリと凌太を見た後、私は大山さんの保険証を預かり駐車場へと走った。


失敗の多い後輩花純ちゃんに、今回は助けられた。
そう思うと少し笑える。

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