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身代わり妹

第15章 【最終章】幸福

その夜は、凛も…優太までもが盛大に夜泣きをした。


怖い助けてと泣き叫ぶ2人を凌太と一緒に抱き締め、ひたすらもう大丈夫だよと繰り返す。


日付が変わった頃、ようやく優太と凛がスヤスヤと静かな寝息を立て始めた。



「どれだけ年月が経っても、変われない人もいるんだね……」

2人の寝顔を見ながら、涙ながらに呟いた。


心は成長しなくても、身体は老いに向かっていく。

母はあのまま寂しく老後を迎えるのだろうか……。



「美優……」

ギュッと凌太に抱き締められた。


「美姫に縋って生きてきたんだろうな……お義母さんはまだ美姫が死んだ時のまま時間が止まってるんだろ」





母は……、

母はそんなにも姉が…

姉だけが可愛かったんだ……。



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